新型コロナウイルス感染症と検査

新型コロナウイルス感染症と検査

(医療従事者向け)オーソ新型コロナウイルス抗体試薬製品情報

➤新型コロナウイルス感染症とは

新型コロナウイルス感染症とはWHO(世界保健機関)が命名したSARS Coronavirus 2(SARS-CoV-2)がもたらす疾患の和名で、海外ではCoronavirus 2019(COVID-19)と呼ばれています1)。日本では2020年2月1日より新型コロナウイルス感染症は指定感染症になっております2)。SARS-CoV-2はCOVID-19を引き起こすウイルスの名前で国際ウイルス分類委員会により、SARSコロナウイルスに遺伝子的に近いという理由から名付けられました3)。今回のSARS-CoV-2の出現より以前からコロナウイルスは存在しており、ヒトに感染するコロナウイルスはSARS-CoV-2を含めると7つ存在しております。コロナウイルスはヒトにとって、軽度の風邪の症状から、より重篤な風邪までさまざまな症状の疾患を引き起こすウイルスです4)。現在SARS-CoV-2に対する検査やワクチン開発が日進月歩で進められています。SARS-CoV-2はスパイク蛋白(S)、ヌクレオカプシド(N)、エンベロープ蛋白(E)などで構成されており5)、スパイク蛋白(S)を構成するS1はウイルスが細胞に侵入する際に必要不可欠なACE2(受容体)と結合する部位であると考えられています6)

参考元

1) 日経メディカル(https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t344/202002/564301.html)トピック◎新型コロナウイルス感染症病名はCOVID-19、ウイルス名はSARS-CoV-2 2020.2.13
2) 国立感染症(https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html?start=20)感染症発生動向調査及び積極的疫学調査により報告された新型コロナウイルス感染症確定症例516例の記述疫学(2020年3月23日現在)2020.4.6
3) Nature microbiology(https://www.natureasia.com/ja-jp/nmicrobiol/pr-highlights/13299Nature microbiology) ウイルス学:2019年の新型コロナウイルスの命名2020.3.34)
4)国立感染症(https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html)コロナウイルスとは2020.1.10
5) In Vitro Diagnostic Assays for COVID-19: Recent Advances and Emerging Trends, Vashist, MDPI Editorial, 5 April 2020(https://www.mdpi.com/2075-4418/10/4/202)
6)Xintian Xu. Evolution of the novel coronavirus from the ongoing Wuhan outbreak and modeling of its spike protein for risk of human transmission. SCIENCE CHINA Life Sciences. 16 Jan 2020(http://engine.scichina.com/publisher/scp/journal/SCLS/63/3/10.1007/s11427-020-1637-5?slug=fulltext)

In Vitro Diagnostic Assays for COVID-19: Recent Advances and Emerging Trends, Vashist, MDPI Editorial, 5 April 2020(https://www.mdpi.com/2075-4418/10/4/202)より当社にて翻訳し引用 また、当社にて矢印の形状変更、赤字部の変更

➤どんな検査があるの

COVID-19に対する検査は大きく二つに大別できます。
一つ目は病原体であるウイルスを検出対象とする測定法です。
二つ目は、ヒトがウイルスに感染したことによって産生された抗体を検出対象とする測定法です。

♦ ウイルスを検出対象としている測定

ウイルスを検出対象としている測定法としてPCR法とイムノクロマト法(簡易キット)を用いた抗原測定法が存在します。
PCR法はSARS-CoV-2が持つ遺伝子情報を増幅し、検出することにより、検出された場合はSARS-CoV-2に感染していると判断するものです。
一方、簡易キットではSARS-CoV-2が持つ特異的な構造蛋白質を標的として作られており、これを検出することでSARS-CoV-2に感染していると判断するものです。どちらの検査も咽頭・鼻咽頭ぬぐい液を検査に用いる検体種としているため、海外ではドライブスルーで検体採取を行う取り組みも行われています。

 

♦ 抗体を検出対象としている測定法

SARS-CoV-2に感染したことによって産生される抗体は1種類ではありません。
代表的なものに感染初期に産生されるIgM抗体とその後遅れて産生されるIgG抗体があります。
そのため、試薬にはIgM抗体を含む抗体検出試薬、IgG抗体のみを検出する試薬、IgM抗体とIgG抗体を別々に検出する試薬などが研究用として販売されています。
IgM 抗体を検出対象とすることは感染後早期に抗体検出を可能とします。IgG 抗体のみを検出対象とすることはIgM抗体の消失した回復期においても抗体推移をモニタリングできると考えられます。
また、SARS-CoV-2 感染後IgM抗体やIgG 抗体よりIgA 抗体の産生が早く、重症度との相関性があるとする報告もあります7)
IgAは目や鼻、唾液など粘膜面で主体的に働く抗体です8)

参考元:
7)Ma and Zeng et all, Serum IgA, IgM, and IgG responses in COVID-19, Cellular & Molecular Immunology (https://doi.org/10.1038/s41423-020-0474-z)
8)乳酸菌B240研究所HP 「免疫力」とは予防の立役者「IgA」(https://www.otsuka.co.jp/b240/mechanism/mechanism2.html)

 

 

・Liu et al. A preliminary study on serological assay for severe acute respiratory syndrome coronavirus 2( SARS-CoV-2)in 238 admitted hospital patients, medRxiv,March 8 2020(https://doi.org/10.1101/2020.03.06.20031856)
・Sethuraman et al. Interpreting Diagnostic Tests for SARS-CoV-2, American Medical Association, May 6 2020(https://jamanetwork.com/)
・Sethuraman et al. Interpreting Diagnostic Tests for SARS-CoV-2, American Medical Association, May 6 2020 https://jamanetwork.com/)
これら三文献より当社にて作図

 

➤特異度・有病率

試薬の信頼性を考える指標として感度と特異度があります。

感度は疾患のある人のうち検査結果が陽性となった人の割合で、特異度は疾患のない人のうち検査結果が陰性となった人の割合です。

例えば感染者と非感染者について考えると以下のようにまとめられます。

感度
すべて捉えられているかどうか

感染者を対象に測定を行った際に実際に陽性となる率で示されます。感度が高いほど少量のウイルスもしくは抗体でも正しく検出することを意味します。
例)感度99%であれば感染者100人を検査すると99人が陽性、1人が陰性となる。

特異度
正しいものを捉えているかどうか

非感染者を対象に測定を行った際に陰性なる確率で示されます。特異性が高いほど標的のウイルスもしくは抗体と間違えてほかのものを捉えてしまうことが少なくなります。
例)特異度99%であれば非感染者100人を検査すると、99人が陰性、1人は陽性となる。

偽陰性 測定結果は陰性だが実際には感染している場合
感度が高いほど偽陰性は少ない
偽陽性 測定結果は陽性だが実際には感染していない場合
特異性が高いほど偽陽性は少ない
陰性的中率 測定結果が陰性の人が本当に感染していない確率。感度が高いほどNPVは高くなる 陽性的中率 測定結果が陽性の人が本当に感染している確率。特異度が高いほどPPVが高くなる


感度と特異度のどちらも100%に近いほど信頼性が高いといえますが、有病率が高くない場合は特に特異度が重要な指標となります。
2つの例を取って考えたいと思います。
下の2つの例では同じ試薬性能のものを用いて測定を行っても有病率が異なることで陽性的中率が変わることが示されています。

また、ある特異度(100~99.2%)、感度(93%)を持つ試薬で測定を行った場合で有病率が0.1~3.0%に変動することでどの程度陽性的中率が変わるのでしょうか?
下の表からは特異度 100%であれば有病率に関わらず陽性的中率は100%となりますが、特異度 >100%の場合は有病率が低い(1%以下)ほど陽性的中率も低下することが示されています。

 

自動計算サイト(https://keisan.casio.jp/exec/user/1347345469)より感度、特異度と有病率を指定した値で計算

 

お問い合わせ Email :Inquiry.COVID.JP@orthoclinicaldiagnostics.com

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